厚生労働省のおこなっている国民生活基礎調査によると、2015年の時点で日本の腰痛人口はおよそ2800万人とされています。
だいたい日本人の5人に2人が腰痛持ちという計算になりますが、なぜそれほど多くの方が腰痛に悩まされているのでしょうか。
坐骨神経痛にともなう腰痛や足のしびれにお悩みの方は、こちらの記事も参考にして見てください。
腰痛の原因
- 腰痛の原因としては腰部の整形外科的疾患があげられている
- 加齢も腰痛の原因としてよく取り上げられる
- 内科系疾患などが腰痛を招くケースもある
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、腰の骨(腰椎:ようつい)と腰の骨の間にある椎間板と呼ばれるクッション部分が圧迫され、髄核と呼ばれる組織が飛び出す外科的疾患です。
椎間板から飛び出した髄核によって神経が刺激されると、腰痛はもちろんのこと、足の痛みやしびれが出ることもあると説明されています。
脊柱管狭窄症
脊柱(せきちゅう:いわゆる背骨のこと)には脳から出た神経が通っていますが、その通り道のことを脊柱管と呼んでいます。
何らかの原因によって脊柱管が狭くなると、神経圧迫が起こり、その結果として腰痛や足のしびれ、歩行障害などがみられることとなります。
骨粗鬆症
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は年齢とともに、骨がもろくなる疾患のことです。
骨がもろくなることで圧迫骨折などを起こすと、腰や背中に慢性的な痛みを生じることとなります。
その他の原因
腰痛の原因としては上記の整形外科的疾患以外にも、内臓疾患や感染症、外傷、婦人科系の疾患、血管の病気などいろいろなことがあげられています。
腰痛の85%は原因不明?
- 検査をしてはっきり原因が分かる腰痛のことを特異的腰痛と呼ぶ
- 特異的腰痛が腰痛全体に占める割合はわずか15%
- 腰痛の85%は検査をしても原因が分からない
実は、先ほどご紹介した腰痛の原因は、腰痛全体のおよそ15%を占めるにすぎません。このようなハッキリとした原因が分かっている腰痛のことを特異的腰痛と呼んでいます。
言い換えるなら、レントゲンやMRIといった画像診断で明らかに異常がみられる腰痛が、特異的腰痛というわけです。
腰痛の本当の原因
- 腰痛のほとんどは非特異的腰痛である
- 非特異的腰痛は多くが筋肉や筋膜の緊張によって生じる
- 骨盤の傾きによって筋肉や筋膜が硬くなる
- 血行不良も腰痛のリスクを増す
腰痛のほとんどは非特異的腰痛
日本では西洋医学を基礎とした画像診断に基づき、病名を特定することが基本となっています。逆に言えば、画像診断で異変がみられなければ、異常なしとされるわけです。
ただ、重い荷物を持ち上げたり、子どもを抱っこしたりしたときに、腰痛が出ることは珍しくありません。そのような検査をしても異常なしとされる腰痛のことを非特異的腰痛と呼んでいます。
筋肉の緊張
腰痛を訴えて当院のような整体院や、整骨院などに来られる方の特徴として、筋肉がガチガチに硬くなっていることがあげられます。
私たちが一般的に筋肉といった場合、それは骨格筋のことを指すケースがほとんどです。骨格筋とは文字通り、骨と骨を結び、骨格を支えたり、関節を動かしたりする筋肉を意味します。
筋膜の緊張
筋膜というと筋肉を覆う膜というイメージを持ちがちですが、実際には筋肉だけでなく腱や靱帯、骨、血管、神経、内臓なども筋膜で覆われています。
そのため、腰につながっている筋膜が硬くなることで、腰痛を発症するリスクが増すのです。例えば、シャツの裾を引っ張ると腰も引っ張られますよね。
骨盤の傾き
長時間に渡ってデスクワークをしていたり、立ちっぱなしの仕事をしていたりすると、骨盤に傾きがみられるようになります。
その結果、同じ場所にばかり負荷がかかり、筋肉や筋膜の緊張を招き、腰痛発症に至ることが少なくありません。
血行不良
血液の循環が滞った場所には、痛み物質が産生されやすくなります。それが筋肉痛のようなチクチクとした痛みを発するわけです。
通常であれば、血液の流れとともに痛み物質も体外へと排出されるのですが、血液の循環が悪いため、痛み物質が滞ってしまうのです。
「整体 in せんがわ」での腰痛改善法
- 「整体 in せんがわ」では筋膜リリースを取り入れている
- 骨盤矯正を併せておこなうことで筋肉や筋膜の緊張を未然に防ぐことが期待できる
- 日常生活におけるアドバイスもおこなっている
筋膜リリース
筋膜リリースとは、硬くなってしまった筋膜を緩めることを意味します。筋膜がゆるめば筋肉もゆるむため、関節の動きがスムーズになります。
たとえば腰痛がひどい場合、腰の筋肉を直接緩めることは、傷口に塩を塗るようなものです。
骨盤矯正
日常生活において、骨盤が傾いてしまうことはよくあることです。ただ、そのような状態を放置すると、同じ場所にばかり負荷がかかります。
せっかく筋膜リリースをおこなっても、骨盤の傾きが残っていると、また同じ場所に痛みを生じるリスクが増します。
骨盤の起こし方をアドバイス
腰痛が出ている方の多くに骨盤の後傾(後ろに傾くこと)がみられます。簡単に言うと、猫背気味になっているということです。
腰痛を改善する場合、腰痛を引き起こしている筋肉や筋膜を緩めることが欠かせないのですが、骨盤を支える筋肉にはしっかりと働いてもらわなくてはなりません。
自宅でできる腰痛の予防法
- 自宅で簡単に腰痛を予防するもっとも簡単な方法が湯船にゆっくりと浸かること
- 殿筋のストレッチも腰痛予防に効果的
- 適度に身体を動かすことで筋緊張を予防することが可能
湯船にゆっくりと浸かる
腰痛に限った話ではありませんが、何らかの症状が出ている場所には、必ずといってよいほど血行不良がみられます。そのため、日常的に湯船にゆっくりと浸かり、血行を促進することが重要です。
殿筋のストレッチに取り組む
腰痛がある場合、ストレッチをすると良いといわれますが、実際には、腰という場所は非常にストレッチしづらい場所です。また、無理なストレッチによってかえって腰痛が悪化するリスクもあります。
そのため、腰痛を予防・改善するためには臀部の筋緊張を緩和することが重要です。腰とつながる殿筋を緩めることで、多くの腰痛は改善・予防することが期待できます。
- 布団やベッドにあおむけで寝る
- 両手で右ひざを抱えて胸の方へ引き寄せる
- 30秒したら反対側も同様におこなう
適度に身体を動かす
腰痛は筋肉や筋膜が硬くなることで起こりますが、筋肉や筋膜を使いすぎて硬くなるというよりは、使わないこと(同じ姿勢をしていること)で硬くなるケースがほとんどです。
腰痛にお悩みの方は慢性腰痛専門の「整体 in せんがわ」まで!
日本人の多くが腰痛に悩まされていますが、そのほとんどは原因不明とされます。なぜなら、西洋医学的検査では、筋肉や筋膜に着目することがないからです。
慢性腰痛は治らないものとあきらめている方は、ぜひ「整体 in せんがわ」までご相談ください。